直接肌に触れる下着だから素材についても知っておきたい!インナー生地の種類と特性について【下着の基礎知識No.05】

インナー生地の種類と特性

毎日つけているインナーがどんな素材を使用しているかご存じですか?
直接肌に触れるものなので、こだわりを持って選んでいる方も結構多いのではないでしょうか。商品を作る上でも素材選びはとても大切な工程のひとつです。

今回は一般的に使われている素材の簡単な説明から、下着に使われている特性のある素材までをご紹介します。

繊維の分類と生地の種類について

まず繊維の種類は、大きくは「天然繊維」「化学繊維」の2つに分けられます。天然繊維と化学繊維の違いは、出発原料がそもそも違うということです。また、繊維そのものの形状や性質が異なります。詳しくは以下の表をご覧ください。

分類 繊維名 素材の特徴






綿 丈夫。吸湿性が良い。熱に強い。染色に良い。洗濯しやすい。 皴になりやすく、縮みやすい。
強い。吸湿性と光沢に富む。涼感がある。硬く弾性に乏しい。皴になりやすい。均一に染めにくい。



弾性があり、かさ高、吸湿性が大。撥水性がある。皴になりにくい。弱い。フェルト化する。染色堅牢度が低い。虫害を受ける。
しなやか。ドレープ性がある。吸湿性に富む。優雅な光沢がある。日光で黄変、劣化する。摩擦に弱い。染色堅牢度が低い。虫害を受ける。




テンセル 丈夫。吸湿性に富む。熱に強い。水に強い。ソフトでドレープ性が良い。染色性が良い。染色時、バイオ加工による分繊処理が必要。収縮しやすい。






レーヨン 吸湿性が大きい。強い光沢。ドレープ性が良い。染色性が良い。水に弱い。非常に皴になりやすい。収縮しやすい。




アセテート ソフトで弾性に富む。光沢がある。皴になりにくい。熱可塑性がある。弱い。吸湿性やや低い。



アクリル 軽くてかさ高。弾性に富む。耐光性が良い。発色性が良い。コシが弱い。ピリングしやすい。吸湿性が低い。
ポリエステル 強くコシがある。型崩れしにくい。熱可塑性に富む。染めにくい。吸湿性が極めて低い。帯電しやすい。ピリングしやすい。
軽くて強い。伸びと弾性に富む。熱可塑がある。染色性が良い。日光で黄変や脆化。コシが弱い。
ポリウレタン 伸縮性と弾性が非常に大きい。老化しにくい。細い繊維が可能。吸湿性が小。演奏系漂白剤で劣化。

これらの繊維を生地にする方法は3つ

  • 編む
  • 織る
  • 形成する

これらの素材と工法で衣類に使われる素材の生地名や商標名になることが多いです。

下着に使われている素材

下着の特性としては、身体にフィットすることが重要で、薄くて柔らかく伸びるストレッチ性が求められます。ドレープ性もアウターを美しく見せるために重要な特性です。具体的にどのような素材が使われているのか見ていきましょう。

パワーネット:弾力性、伸縮性が非常によい

パワーネット

ブラジャーやガードルによく使用されているメッシュの生地です。ポリウレタンにナイロンを巻いたものをメッシュ状に編みこんでいます。

生地の特長としては、伸縮性が特に大きく丈夫であることです。素材のポリウレタンもナイロンも合成繊維ですので、お肌の弱いかたにはチクチクするかもしれません。そんなときはTシャツやインナーの上からの着用をお勧めいたします。

弾力性とともに収縮力が強いため、バストやお肌を見た目よく、スッキリと引き締める働きがあります。
脇肉キャッチャーではバックベルトとサイドパネルに使用されていて、とても強力なパワーで背肉、脇肉を押さえてしっかりバストにお肉を集めてくれます。
夜寄るブラでは、肌触りの良いパワーネットを使用しています。パットも無いのに胸が寄せられるのは、パワーネットの生地のパワーのおかげです。

モダール®:とても柔らかい肌触り

モダール®

マイクロモダール®とは、オーストリアのレンチング社が生産している改質レーヨンのことをいいます。ブナ材を原料としているセルロース繊維の一種です。天然素材が原料のため、廃棄の際に有害物質などを出さない地球にやさしい繊維です。

モダールは合成繊維でありながら、シルクのようななめらかさと光沢があり、吸湿性と放湿性に優れています。また、とても柔らかい肌触りで、コットンの2倍柔らかさといわれています。

マイクロファイバー繊維をつかったマイクロモダールは、通常のモダールより繊維が細かくなり、生地もきめ細かな肌触りになっています。
もう離れ垂れへんブラの肌にあたる部分、ショーツはマイクロモダールを使用しています。軽くてなめらかな肌触りで快適に過ごしていただけますよ。

※レンチング モダール®は、レンチング社が生産・販売するモダール繊維の商標名です。

テンセル®:柔らかく、涼しく、吸水性に優れている

テンセル®

ヨーロッパで開発された新素材で、「精製セルロース繊維」とよばれる再生繊維の一種です。欧州での品質表示名は、「リヨセル(Lyocell)」ですが、商標はすべて「テンセル(Tencel)」に統一されています。

糸の表面が滑らかなのでソフトな風合いが出て、美しい光沢感があり、繊維がやわらかく、湿潤時でも強度が低下せず、吸湿性・速乾性に優れています。コットンよりも吸水性に優れ、シルクよりも柔らかく、そしてリネンよりも涼しいという特徴があり、いいとこどりの素材感です。
また、細菌の発生を抑えることができるので、ショーツに適しています。

脇肉キャッチャーのスタンダードショーツに使用していますが、生地の見た目も上質感があり、お客様からもご好評いただいております。

※テンセル®とは、 オーストリアのレンチング社が製造するリヨセル繊維の登録商標です。

2Way 3Wayトリコット:体の動きについてくる快適なフィット感

2Way 3Wayトリコット

縦方向と横方向両方に伸びるトリコット編みの生地の総称です。本来は編み方に対する名称ですが、素材名的な使われ方をされています。

1方向への伸長は立体的に編んだポリエステル繊維が伸び縮みする事で、もう1方向の伸長はポリウレタン繊維(ゴム)がパンツのゴムのように伸び縮みする事で、2方向に伸縮する事が出来るようになっています。
2方向に伸びる事による、非常に柔らかく気持ちの良い肌触りが特徴です。

過去に販売していた脇肉キャッチャーLIGHT Sweet Styleのブラとショーツに使用されていました。窮屈感なく体の動きについてきて、楽な着用感を体現できているのはこの素材のおかげです。

不織布:バストをつぶさず柔らかな素材で胸の保形にはかかせない

「織らない布状のもの」をいいます。
織物にも、編物にも属さず、繊維を糸にせずに繊維のままで布状にしたもので、高圧水流、あるいは熱や接着剤により繊維と繊維を絡み合わせて布状のシートになったものをいいます。ブラジャーの内側のカップなどに使用しています。

直立ハニカム式綿

直立ハニカム式綿

直立ハニカム式綿はメモリーフォームとも言われ、高い通気性と速乾性を持ち、既存のスポンジに代わり使用されています。
この直立ハニカム式綿は独立した弾性体であり、通気性と良好な可塑性及び高弾性と伸縮回復性を備えています。

バイリーン

バイリーン

パッドやカップに使われることが多い素材。バストにフィットしやすい形状を作ります。


今回はインナーで使用されている一部の素材をご紹介させていただきました。

繊維は毎年いろんな種類が開発され、数限りなくあります。構成や加工の違いで特徴も違ってくるので、生地の特性からも下着選びの参考にしたいですね。

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