【産後ケアのプロ×おっぱいのプロに聞いた!】 授乳を終えても、正しいケアでバストはふっくら育つ 「バストが美しく変化した人は自分に合ったブラジャーを着けている」

助産院

授乳期を終えたバストは、垂れたりしぼんだりして、形も大きさも変わります。ハリがなくなってしまった胸は、もう元には戻らないのでしょうか?
およそ20年にわたり女性の体に寄り添ってきた助産師の寺尾直美さんと、業界歴40年以上のカリスマフィッター・山﨑典子さんに、授乳期を終えたバストの正しいケア方法を聞きました。

クーパー靭帯が伸びてもバストの形は整えられる

クーパー靭帯

―― 授乳期を終えると、胸の形が大きく変わってしまうのはなぜでしょうか?

寺尾:大きな原因は、乳腺組織の変化です。女性の胸は、妊娠初期から授乳に備えて乳腺組織が発育し始め、それに伴ってバストも大きく、重くなっていきます。しかし、赤ちゃんに母乳が必要なくなってくると、発達していた乳腺組織は少しずつ減少し、バストが全体的にしぼんでいきます。

さらに、妊娠~授乳にかけてバストが大きくなったときに、胸を支えているクーパー靭帯も同時に伸びてしまっています。一度伸びたクーパー靭帯は元に戻りませんから、授乳期を終えると、バストがしぼんだ上に垂れてしまうのです。

―― 伸びたクーバー靭帯が元に戻らないのなら、バストの形も元には戻せないのでしょうか?

寺尾:完全に元の状態に戻ることはありませんが、授乳を終えた後でも胸の形を整えていくことは可能です。というのも、先ほどお話しした乳腺組織は、授乳という役目を終えたら脂肪に置き変わります。 この脂肪は、乳房以外のところに流れやすい特徴があるのですが、ブラジャーで本来のバスト位置にしっかり戻して形状記憶させていけば、少しずつその形にバストが整えられていきます。

出張フィッティング

寺尾さんの「なおみ助産院」併設のcafeflatで開催される、HEAVEN Japanの出張フィッティング。
HEAVEN Japanで販売中の全種類12種類、最大54サイズのブラジャーから、
悩みを解決するブラジャーをフィッターがアドバイス。


山﨑:寺尾さんの「なおみ助産院」で定期的に開催している出張フィッティングでも、自分のバストに合ったブラジャーをきちんと着け続けている方は、デコルテもバストもふっくらと整ってくる方が少なくないですよね。
早い方なら、半年ほどでバストの位置もサイズも目に見えてアップされています。

寺尾:そうなんですよ。フィッティングイベントの参加者の方が、回数を重ねるごとにどんどんバストサイズがアップしていくのを見ると、授乳を終えたバストのケアにブラジャーが有効であることがすごくわかります。
脂肪に置き変わった乳腺は、放っておくと重力とともにどんどん胸以外のところへ流れていくだけ。逆に、流れないようにしっかりと整えてあげれば、きれいな胸に育っていくのだなと思います。

小さなお子様連れでも安心の古民家カフェ

出張フィッティングの会場「cafeflat」は「なおみ助産院」のすぐ隣。
小さなお子様連れでも安心の古民家カフェ。

ワイヤーブラに戻す目安は授乳期を終えた3か月後から

ワイヤーブラ

―― 授乳の時期が終わった後は、下着選びが特に重要になるのですね。とはいえ、授乳を終えたばかりの頃は、バストサイズの変化が大きいと聞きます。しっかりとしたワイヤー入りブラジャーは、いつ頃から検討するのがベストですか?

寺尾:授乳中に乳腺を圧迫すると母乳の分泌に影響が出ますし、乳腺炎などのリスクも上がります。ですので、ワイヤー入りのブラジャーは、授乳期を終えて3か月ほど経ってから検討されるといいと思います。

―― 授乳期を終えたかどうかの判断基準はありますか?
たとえば1歳くらいでも、1日にしっかり3食食べていて、お昼寝や寝る前のおっぱいだけがやめられない、という子もいます。この場合は、まだ授乳期ということでしょうか?

寺尾:1日3食しっかり食べている子なら、おそらくそこまで本気で飲んではいないので、授乳を完全にやめても1週間くらいで胸の状態が落ち着いてくるケースが多いんですよね。
こうした方は、おっぱいの「熱い」「重い」といった症状が落ち着いてから3か月後くらいを目安に、ワイヤー入りブラジャーを検討されると良いと思います。

一方で、同じ1歳くらいでも、おっぱいが好きで食事が進まない子だと、1日に5~6回授乳しているケースもあります。こうした場合は、授乳しないと胸がパンパンに張って、痛くて触れないような状態になりがちです。
離乳を進めていても授乳期を終えたとは言い難いので、子どもの食事の進み具合と授乳の頻度、そして胸の状態を確認しながら、おっぱいの状態が落ち着いてから3か月後くらいを目安に、ワイヤー入りブラジャーを検討されるとよいでしょう。

山﨑:最近は「卒乳」「断乳」という言葉が乱立していますが、定義としては、「卒乳=赤ちゃんからおっぱいをやめる」「断乳=お母さんの方からおっぱいをやめる」です。どちらにしても、授乳期を終えたばかりの頃は、胸の状態も不安定。
授乳期を終えてから3か月間くらいは、締め付けの少ないノンワイヤーブラでゆるやかにバストを整えていかれるとよいと思います。
当社の商品で言えば、ナイトブラの「夜寄るブラコットン」なら、ワイヤーは入っていないものの、適度な着圧で胸が流れるのを防いでくれます。職場復帰される方なら、ノンワイヤーの「もう離れ垂れへんブラ」もおすすめですね。

授乳期を終えた後、初めてのブラ選びはプロの手を借りて

卒乳後のブラ選び

―― 授乳の時期が終わった後、初めてワイヤー入りブラジャーを購入する際は、どんなことに気を付ければよいですか?出産前に比べてサイズも随分変わっている気がします。

山﨑:できれば、プロのフィッターによるフィッティングを受けて、ブラジャーを選んでほしいですね。
というのも、授乳期を終えたバストは特に下垂してトップ位置が下がっていますし、脇や背中などにお肉が流れていることが多いんです。つまり、流れたお肉をどう処理するかでカップサイズがかなり変わってくる。
採寸だけでは、このお肉の流れ方はわかりかねますから、授乳期を終えた後に初めてブラジャーを購入する際は、ぜひプロの手を借りてほしいと思います。

寺尾:私も山﨑さんにフィッティングをしてもらって、授乳期後にBカップにまで痩せていた胸がFカップになりましたもんね。『タニマドンナ』という商品を選んでもらいましたが、脇腹やおなかのあたりまですっきりしたのが気持ちよかったです。

山﨑:きちんとフィッティングをすると、いつものサイズよりも2カップくらいアップする人が多いんですよ。
お肉の流れやすさは人によって違うので、寺尾さんのように3~4カップ上がる人も珍しくありません。

―― 妊娠前と同じ体重に戻っていても、カップサイズが上がるのですか?

山﨑:たとえ体重が戻っていても、フィッティングをするとカップサイズが上がる人が多いんですよ。
なぜなら、実際はバストが小さくなったのではなく、もともとバストにあったお肉が流れてしまって、ボリュームがなくなったように見えているだけだからです。
流れたお肉をあるべき位置に戻してあげて、ワイヤー入りブラジャーで安定させれば、現在のご自身のバストで一番ベストな形に戻ります。

そしてその後は、集めてきたお肉をその位置に癖づけていくことが大事になります。流れてしまったお肉が、脇や背中といった位置で形状記憶してしまわないように、授乳期を終えた後は早めのバストケアを心がけてほしいですね。
「授乳期を終えて3か月後」を目安に、フィッティングとワイヤー入りブラジャーを検討してもらえたら嬉しいです。

―― フィッティングは授乳期を終えた後、一度受ければ十分ですか?

山﨑:できれば、授乳期を終えてから3か月後と半年後の2回は受けてもらいたいです。
授乳期を終えてから6か月ほどすると体型の変化も落ち着いてきますから、そこで再度、その時の胸に合うサイズを確認してもらえたらより安心です。
それこそ、出張フィッティングに3か月おき、半年おきなどに参加され、定期的にバストに合ったブラジャーに変えている方は、驚くほどきれいなバストに育っていかれますよ。

―― 授乳を経験した胸でも、それほど形が変化するのですか?

山﨑:変化します!
例えば、授乳を終えて3か月後に初めて出張フィッティングに参加され、そこから感心するほどバストが育っている人もいます。

その方は『ハリジェンヌ』という商品を愛用されていますが、毎日着用することを前提に3枚まとめて購入し、出張フィッティングにも3か月毎に参加。そして、その時々のサイズに合ったものに買い替えながらバストケアを続けています。

驚いたのは、わずかな期間でもしっかりと成果が出たことです。
初めてのフィッティングではD75サイズでしたが、そこから3か月後にはF70に変化!カップは2サイズもアップしながら、アンダーはダウンしたんです。痩せていたデコルテもふっくらとボリュームアップされ、見るからにふんわりハリのあるバストになっていました。
劣化したブラジャーを使わず、正しいサイズで着用し続ければ、胸はこんなにも応えてくれるのだなと改めて感心しました。

保湿のポイントは油分

保湿

―― 下着の他に、授乳期を終えた後のバストケアでおすすめの方法はありますか?

寺尾:筋トレと保湿です。筋トレは、乳房を支える筋肉である「大胸筋」と「前鋸筋(ぜんきょきん)」を鍛えるエクササイズを取り入れるのが効果的。
YouTubeなどで検索すれば様々なエクササイズが紹介されていますから、無理なく取り入れられそうなものから試してみてください。

エクササイズ

左が大胸筋、右が前鋸筋(ぜんきょきん)。どちらも、胸を支える大切な筋肉です。

一方で保湿は、ブラジャーを快適に着け続けるためにも欠かせません。
というのも、加齢によって女性ホルモンが減少すると、肌の潤いを保持する能力も低下して、皮膚が乾燥しやすくなります。
乾燥すると、下着に触れる部分がかゆくなってブラジャーを着け続けるのが辛くなりますから、特にワイヤーが当たる部分や、着圧の強い部分は、意識して保湿を心がけてほしいと思います。

―― 保湿アイテムにもいろいろありますが、どんな商品を選べば?

寺尾:油分を多く含むクリープタイプがおすすめです。人は20歳をピークに皮脂の分泌がどんどん減っていくので、意識的に油分を補うことが大切。熱いお湯などは皮脂を奪って肌の乾燥を助長するので、お風呂の湯温も高くしすぎないように気をつけてください。

無理をせず、着け心地を大切に

着け心地

―― 胸に合ったブラジャーの着用、筋トレ、保湿が授乳期を終えた後のバストケアのポイントですね。
最後に、授乳期を終えた後のバストにおすすめのブラジャーを教えてください。

山﨑:流れたり、離れているバストには『タニマドンナ』、下垂が気になるバストにはリフトアップ効果が高い『ハリジェンヌ』が効果的です。
ただ、授乳中は締めつけのない楽な下着を使っていた方が多いはずなので、いきなり着圧の強いブラジャーを着けると苦しく感じる人もいます。着圧が辛ければ、着け心地が比較的軽い『贅沢脇肉キャッチャー』から徐々に慣れていくなど、ご自身が快適だと感じられる着け心地を基準に選んでもらえたらと思います。

また、ワイヤー入りのブラジャーでも、バストトップをぐっと上げるもの、谷間を寄せるものなど、商品ごとに機能性が異なります。ご自身のバストの状態に合っていて、かつ理想の形を作れるブラジャーを見つけるためにも、ぜひフィッターや電話相談窓口など、プロの力を活用してもらいたいですね。


■寺尾直美さん

寺尾直美さん

助産師。社会人経験を経て助産師免許取得後、総合病院の産婦人科病棟、助産院にて勤務。2011年、兵庫県三木市にて「なおみ助産院」開業。母乳育児相談や乳房ケアの傍ら、こんにちは赤ちゃん訪問や健診、地域の子育てひろばでの相談業務、子育て・孫育て講座、性教育、ベビーマッサージ教室など、主に地域での活動を行なっている。2021年に、産後ケア施設と、親子が集えるカフェを開設。
なおみ助産院 公式サイト インスタグラム

■山﨑典子さん

40年以上下着の商品開発に携わり、フィッター育成と店舗の構築を国内外問わず100店舗以上手掛ける。

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